志村辰弥神父は、このルルドの出来事の意義を、いみじくも次のように語っている。

　「ルルドの出来事は、近世の教会史上に最も特筆すべき事の一つであろう。それは十九世紀の中ごろ、唯物主義や自由主義による反カトリック思想が昂（たかま）って、社会も教会も大きな危機に直面したとき、突如聖母マリアのご出現によって、破滅から救われたばかりでなく、今日もなお、数々の奇蹟を通して、多くの人々がその恩恵にあずかっている。

　志村辰弥著「ルルドの出来事」中央出版社　　Ｐ．１　　

★ガスコーニュ地方

小学館「仏和大辞典」によると、「ほぼ、ジェール、ランド、オート・ピレネーの３県を含む旧州名」

★★タルブ（Tarbes）は、オート・ピレネー県の県庁所在地。

タルブの司教は、度重なる厳格な調査の結果、　１８６２年に「ルルドの洞窟での聖母のご出現」を初めて公認した。

★ さらに忘れてはならない事は、キリスト教禁令下の幕末（１８６３年）に、ロケーニュ神父（Joseph Laucaigne　ロカイン神父とも言う）が、フューレ神父の後任として横浜に上陸し、長崎にいたプチジャン神父を助けて働いたことである。

　「騎士誌９」による。

www.seibonokishi

-sha.or.jp/kishis/

kis0104/ki09.htm

ロケーニュ神父は、　　１８３８年３月に、タルブ　西北西１５ｋｍのガルデール（Ｇａｒｄｅｒｅｓ）に生まれた。（下の画像はルルド、カ゜ルデール、タルブの位置関係と距離を示している。）

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　誕生の地が、オート・ピレネー県のガルデールであることは、「キリスト教人名事典」（日本基督教団出版局）で調べ、インターネットでも確認した。。

ガルデールは、地図によれは北緯４３度１７分、西経０度０７分にある小さな集落である。

ロケーニュ神父は１８６３年、来日。ルルドに聖母がご出現した５年後のことである。

　上掲の地図の画像でも明らかなように、彼の生まれ故郷は、ルルドに近く（２０km）、日本の信者にルルドの聖母を語るとき、自然、口調に熱を帯びたことは、想像に難くない。

　また、年代も接近し、並行しているので、初めて日本にルルドの聖母のご出現を伝えたのは、ロケーニュ神父であったと言えよう。（背理法的な証明である）

　浅学非才の小生が知る限りでは、ロケーニュ神父の前任者のフューレ神父もプチジャン神父も、ルルドの聖母のご出現を語ったという記録を残していない。

　　ロケーニュ神父は、キリシタン禁制撤去後は、津和野などの配流先から戻った信者の司牧に尽力した。

　　　　　ルルドの近辺で日本人にもよく知られている

のは「三銃士」のダルタニャン。

 

　「三銃士」はフランスの作家デュマ(父)の歴史小説。

　1844年作。主人公ダルタニャンは、フランスのガスコーニュ地方★、タルブ生まれ★★の小貴族の勇敢な青年。田舎出身の為、若干都会の常識に疎い面もあるが、一応貴族としての礼節はある程度弁えている。銃士になるべく、パリに出奔。三銃士と親交を深め、生涯の友を誓う。

 

 

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　モデルは同名の実在した貴族で、デュマは彼を「ドン・キホーテ」と揶揄している。 　　（Ｗｉｋｉｐｅｄｉａ　「三銃士」による）

　ベルナデッタの生まれる約３００年前に日本にキリスト教を宣教★したフランシスコ・ザビエルは、ルルドの割合近く（約２００ｋｍ）のナバラ王国のザビエル城に生まれた。

　フランシスコ・ザビエルは、 スペイン人のイエズス会士。ナバラ王国のザビエルに生まれる。

バスクの血をひく父母はともに王国の名門で，父は王国の要職を歴任し，枢密院議長も務めた。

ザビエル城跡（拡大できます）

　1512年親フランス政策をとるナバラの首都パンプロナはカスティリャ軍に占領され，ザビエル一家は離散し，父と兄2人はフランスに亡命，父は3年後に死亡した。

フランシスコは母と姉たちと王国にとどまり，苦難の幼少年時代を過ごした。1521年兄ら王国の旧臣は首都奪回を企てて失敗した。このとき首都を守るカスティリャ側に軍人イグナティウス･デ･ロヨラがおり，この戦いで重傷を負ったことを転機に宗教家の道を歩むことになる。

（平凡社「世界大百科事典」より）　　　

かつてのカトリック山口教会聖堂は、スペイン・ナバラ王国のザビエル城を模した記念すべき建築物であった。 下の写真の聖堂の左下が、上掲のナバラ王国ザビエル城の左を模していた。

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