７月６日、ペリグーに一泊。

７月７日の朝七時に、ペリグーを出発し、夜十時半、ヌベールの駅に到着した。

ヌベールの修道院は、ドゥラヴェンヌ師（１６５３年−１７１９年）が創立した愛徳修道会が、本部がヌベール市のサン・ジルダールにあるため、「サン・ジルダール修道院」と呼ばれている。

　ヌベールの駅には、ベルナデッタを含めて三人の志願者と二人の修道院長を、迎えに来た馬車が待っていた。修道院の人たちはもう就寝したあとで、ベルナデッタは殆ど何も見ずに、この大きな静かな家に、初めての一夜を過ごした。

ヌベール写真集　ＮＯ１

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修道院の中で、補助看護婦となる。彼女は、こまごまとした仕事を担当することになった。それは聖母マリアのご像の前に花を飾ることから、便器を洗浄することまで色々あった。

　看護助手の仕事は、ベルナデッタは気に入っていた。ルルドにいた時も、看護することに自分の道があると思ったのであった。看護婦のシスター・マルトは、こんな背の低いシスター（ベルナデッタ）が、よく病人の指導が出来ることに驚いていた。

ベルナデッタには、背の低いことへのコンプレックスがなかった。多分、聖母が現れたときに、彼女と同じくらいの背丈だったためではなかろうか。

　ベルナデッタの体調は、良いときと悪いときがあって、時には何回も洗面器一杯の喀血をしていた。

　１８７１年３月４日、父のフランソア・スビルーが死去した。（享年６４歳か？）ルルドから少し離れていたときは、しぱ゛しば口実を作って、ベルナデッタを訪れた父フランソアも、ピレネー地方からは遂に一歩も出たことがなかったし、ヌベールまで来ることもなかった。彼の死を聞いて、ベルナデッタは深い悲しみに沈んだ。

１８７５年からのベルナデッタの生涯は、病人の生活であった。もう役に立たない状態に陥ったベルナデッタは、それを神に仕えるための一つの務めとして、受け入れた。

　１８７７年９月８日の土曜日、ペラマール神父が死去した。この知らせは電報でベルナデッタに伝えられた。ちょうどその時、ベルナデッタは修道院の二階で祈っていたが、この知らせを聞くと、泣き伏した。

　１８７７年１２月、ベルナデッタの膝は、痛みがだんだん激しくなって行った。

　１８７８年９月、膝のカリエスはますますひどくなった。ベルナデッタは「もう聖堂にも行かれません。病室にいるだけです」と、黙想の終わりごろには言っていた。

　１８７８年１０月３０日ベルナデッタは、聖十字架室と呼ばれる病室に移された。そこが、ベルナデッタの地上の最後の住まいとなった。　

　この最後の何ヶ月の間、しばしば見舞ったフェーブル神父は、ベルナデッタの病気について、次のように述べている。「慢性の喘息、胸の苦しみ、喀血、大動脈の動脈瘤、膝のカリエス、・・・・・、その結果ベルナデッタのかわいそうな身体は、全く苦しみの問屋になってしまった。」

　１８７９年４月１６日。正午頃、ベルナデッタは、自分のイスに座って、壁に掛けてある十字架を一生懸命見つめていた。午後３時頃、ベルナデッタは「水が飲みたい」と合図した。十字架を切ってから、ベルナデッタは手にグラスを取り、二度にわたって少量を飲むと、頭をたれて、静かにこの世を去って行った。