秋月は、筑前国(福岡県)の城下町。

吉川弘文館「標準日本史地図」Ｐ．１８より

平氏側勢力として「原田種直」の名が、

「博多」の下に記されている。

　1203 年 、 鎌倉幕府二代将軍・源頼家は、武田有義の謀反をいち早く鎌倉幕府に通報した功績により、恩賞として 原田種雄（ 秋月氏 の始祖 ） に秋月荘を与える。種雄はここに移住し、姓を 「秋月 」と改める。

　秋月氏は、戦国時代の習わしとして、古処山(こしよざん◆)の山頂に、山城（古処山城）を築いた。 秋月氏は、垂裕神社付近（現在の秋月城跡地）に杉本城を築き、居館としたらしい。

　1477年、古処山城・杉本城をはじめ、領内の砦を修復、更に新砦を築く。

　1507 年、秋月種朝は大友義継・菊池武重の軍を古処山下に誘い寄せ、これを撃退する。 （ＨＰ「秋月氏の時代」より）

　1567年　8月：大友軍二万余騎が秋月に押し寄せる。（秋月の合戦）
秋月種実軍が夜討をかけ休松城総攻撃を開始、大友軍は筑後に後退する。 （ 休松の合戦 ）
熱望の秋月家再興が見事に結実する。 （ＨＰ「秋月氏の時代」より）

　豊臣期の筑前国の武将秋月種実( 1545‐96 天文14‐慶長1)は、同国夜須郡秋月の古処山の、秋月城（山城◆◆）に依拠した。

　1578年、大友氏が「 耳川の合戦 」で敗れる。
これより秋月種実は近隣を奪って旧領を復し（荒平城、坂田城、��嶽城、観音寺城、道場山城など） 近くの砦を固め全盛時代を迎える。（筑前、筑後、豊後３ヶ国11郡、36万石を領す ） 　 （ＨＰ「秋月氏の時代」より）

　秋月種実は、78年(天正6)筑前大友氏勢力の一掃に成功し，勢力は筑前･筑後一帯に及んだ。84年島津･竜造寺氏の和平工作に成功し，島津氏の筑前攻略の先導役を務めた。

　87年　秀吉の九州統一に、名物の肩衝(かたつき)茶入れ〈絃柴(ならしば)〉を献上して、赦免される。　

　秋月種実の（日向高鍋への）移封により、（１７代続いた）筑前秋月氏は、衰亡。

「平凡社」による

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　註◆

　　　古処山８５９ｍは、上の地図の右上方向にある。九州自然歩道で登山できる。この山頂に築かれた秋月城は、九州第一の要害を誇っていたが、今はその遺跡のかけらも残っていないという。 ６合目付近に古処林道終点の駐車場があり、そこまでは車で行けるらしい。

甘木市商工観光課 ・甘木市観光協会 ・ 秋月観光協会

のＨＰ「甘木市の観光情報」

http://www.city.amagi.fukuoka.jp/kankou/html/syashin/jyoukamati/joukamati.htm

の「古処山」の写真を拝借しました。

　登山道はよく整備されており、九州自然歩道「古処山』コースとなっている。

　註◆◆

　　　鎌倉時代、秋月には、古処山(こしよざん)山頂にある山城の本城の他に、ふもとの里に支城があった。

　山頂城の記事については、HPの「秋月氏の時代」www.catv296.ne.jp/~sensyo/ akizuki2-rekisi2.htm を参照しました。

（ＨＰ運営者）

　黒田孝高◆は、織豊政権期の武将。名は官兵衛。如水円清などを称す。織田信長の中国進出にくみし，羽柴秀吉の参謀として軍略家の名をはせた。

　89年，剃髪して家を子長政に譲り，秀吉に近侍し，小田原征伐，文禄･慶長の役などおもに軍事面で活躍した。1600年(慶長5)関ヶ原の戦では，子長政とともに徳川家康にくみし，豊後で大友吉統(よしむね)と戦い捕虜とした。

　その功で，黒田家は筑前一国を領した。熱心なキリスト教徒で，洗礼名をドン･シメオンと称し，そのキリシタン名を印文にした印判状を発給した。遺言により博多の教会堂に葬られた。

　　　　　　　　　「平凡社」による

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　註◆

　黒田孝高というよりは、「黒田官兵衛」の名で知られている。「神算鬼謀」とうたわれた稀代の戦略家で、豊臣秀吉の名参謀。豊臣秀吉の天下取りの映画・テレビには、必ず登場する重臣である。今放送されているＮＨＫの大河ドラマ「功名が辻」にも、度々登場している。

　高山右近の感化を受けて、小西行長と共に、洗礼を受けたキリシタン大名。「熱心なキリスト教徒」とは、信じられないような話であるが、チースリクは、「キリシタン史考」聖母文庫Ｐ．１７５で、「秀吉は黒田孝高に『キリスト教信仰を棄てよ』と命ずることが出来なかった◆◆」と述べている。

　また、チースリクは「黒田孝高（の信仰は）一度も緩くなったことは無く、秀吉の圧力にも徳川政権のそれにも屈せずに、一貫して信仰を守り通した」（前掲書Ｐ．１２２）と称揚している。

　註◆◆

　　黒田孝高が、豊臣秀吉の天下統一を実現させた名参謀であったにも、関わらず「豊前（今の福岡県の東部）において（わずか）１２万石だけ（の領有）にとどまった」（チースリク前掲書Ｐ．１２２）のは、秀吉が黒田孝高の信仰を喜ばなかったからである。

（ＨＰ運営者）　

　如水（黒田孝高）の長男黒田長政は、霊名はダミアンと付けられたが、前記のように全く教会から離れ、最期には領内（筑前国、今の福岡県）で、キリシタンの名までも抹消させるようになった。

　如水の同父異母の弟、ミゲル惣右衛門直之は、後に極めて熱心になっただけでなく、彼を良く知っていたマトス神父が、彼の伝記を書いたほど（あいにく現存しない）、模範的なキリシタンであった。

　彼（黒田惣右衛門直之）は秋月の城下で教会を建立させ、自領秋月はもちろんのこと、博多の教会や友人福島正則の城下町広島の教会のためにも極力尽くし、１６０９年京都で亡くなったが、秋月で荘厳な追悼ミサが挙げられ、長崎のキリシタン墓地に埋葬された。

　彼の長男パウロ左平次直基も熱心であったが、早くも１６１１年に死んだ。

　惣右衛門の妻マリアは、後に京都に住み、１６１４年以後も、そこの神父たちに、隠れ場を世話していたそうである。

チースリク「キリシタン史考」聖母文庫　Ｐ．１２３〜１２４　

　パジェス「日本キリシタン宗門史」上巻（岩波文庫）Ｐ．３２９による

　1624年(寛永1)黒田長政（黒田孝高の長男）の次男長興が5万石を分与されて入部，野鳥川を挟んで武家屋敷および町屋を配し，城下町として整備した。

「平凡社」による　

梅園公園

　（秋月城址）

　ペトロ岐部カスイが、マチアスの遺体を掘り起こして、長崎・ローマに運んだ。（詳細は別頁で後述）