赤い椿と、栄華をしのばす古城跡の石垣
Ｈ．チースリク「キリシタン時代の日本人司祭」Ｐ．２６７〜２７１の箇所を要約して、次に掲げる。
「岐部の最後の城主であった岐部左近大夫の親戚に、岐部掃部介という武将が居た。
岐部掃部介が、ペトロ岐部カスイ神父の父親である、岐部ロマノではないかと考えられる。
１５８５年のフロイスの書簡に、次のような報告が残されている。
『浦部（合併前の旧国見町と国東町）は異教徒の地であるが、そこの一人の善人が、
私たちの聖なる教えの内容を非常によく理解し、自分の家に帰って妻や家族に、
【自分は救いの正しい道を見出した】と言った』
この非常に善良なキリシタンの名は記載されていないが、岐部ロマノと考えて差し支えない。